スイス製のピエゾ抵抗型圧力計測技術

隔膜型圧力測定セルの汎用性

電気的圧力測定には、圧力を測定して記録し、電気信号に変換するセンサーを必要とします。大きい出力信号、確立された製造プロセス、長年の実績により、ピエゾ抵抗技術は圧力測定の分野で中心的な存在となっています。

電気抵抗を用いた圧力測定は、測定される圧力に応じて電気抵抗値が変化することを応用しています。測定をする電気抵抗が感圧ダイヤフラムに組み込まれており、圧力の強さに応じて、伸びたり（電気抵抗が増加）または縮んだり（電気抵抗が減少）します。圧力が大きいほど、ダイヤフラムは変形します。つまり、抵抗の変化の大きさは圧力に直接依存します。さらに、ピエゾ抵抗では伸びたり縮んだりしたときに発生する機械的張力が導電率の変化にもつながります。このピエゾ抵抗効果は、原子配置のシフトに基づいており、電荷移動に直接影響します。この導電率の変化に起因する抵抗変化は、純粋な機械的変形によって引き起こされるものよりも大幅に大きくなり得ます。

ピエゾ抵抗センサーチップのベースは、ウェーハとして知られる厚さ1ミリ未満の結晶シリコンの円板です。表面のある特定の場所に不純物原子を打ち込むと、そのエリアがピエゾ抵抗を形成します。次のステップで、ウェーハを局所的に薄くし、ダイヤフラムをシリコンに直接形成します。ダイヤフラムが変形すると、変位に応じて抵抗値が増減します。その後、シリコンの裏面をガラスにしっかりと接続します。絶対圧力センサーであれば、これにより真空内に閉じられた基準空間を設けることができます。ゲージ圧センサであれば、背面のガラスに大気開放用の穴が設けられます。

センサーチップを測定対象の媒体から隔てるため、センサーチップはオイルを充填した耐圧金属製ハウジングに取り付けられ、そして薄膜ダイヤフラムで前面を密閉します。圧力は、このダイヤフラムと伝達媒体としてのオイル介してセンサーチップに伝わります。

このような隔てられた圧力測定セルは、その汎用性に特徴があります。腐食性のある測定媒体にも使うことができ、圧力レンジも幅広く用意できます。絶縁されたピエゾ抵抗圧力測定セルとピエゾ抵抗技術の利点を組み合わせることにより、さまざまな用途に使用することができます。圧力サイクルテストを長時間繰り返した後でも金属疲労も発生せず、優れた長期安定性を有し、、ヒステリシスもありません。個々に合わせたハウジング構造により、過酷な環境など、さまざまなアプリケーションで高い柔軟性を発揮します。

高い生産能力によるコスト効率

35以上の高度に専門化された生産セルにおいて、最新の自動化された製造プロセスを用いて、OEM製品を大量に、また特殊な製品を少量ずつ生産しています。年間100万個以上の圧力トランスデューサーと圧力設定トランスミッターを生産することで、その能力を発揮しています。複雑な製造工程と厳しい品質要求にもかかわらず、この大量生産により、スイスの自社工場での生産をコスト効率よく維持することができます。

測定という解決策

私たちの製品はモジュラーデザインを採用し、ほとんどの内部部品を自社で製造しています。そのため例え少量の案件であっても、既製品のマイナーチェンジによる対応が可能なのです。モジュラーデザインのメリットは製品を半完成品の状態でも提供ができることにあり、OEMのお客様に対し非常にフレキシブルに対応できます。アプリケーションの中には、機能や、機器の設置場所に応じたオーダーメイドを要するものもあります。